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今更ですが、今年のGWは去年の夏ぶりに実家に帰りました。
私の出身は静岡県西部の小さな町。面積的にはそこそこ大きな町ですが、総面積の約7割が森林という、まあ控えめに言ってもド田舎です。

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山と川と茶畑。端午の節句で川原では凧揚げが行われていました。

京都に移住してから、地元へはあまり頻繁には帰りません。最後に帰ったのはまだ会社員だった去年の夏、東京出張の帰りに立ち寄って姪っ子と一緒に浴衣で花火大会を見に行きました。
それ以来の帰省だったわけですが、正直迷いました。
だって大型連休なんて絶好の商売チャンス。イベントをしたいけれど年末から待ってくれている両親からの催促も無視できない。
地元でイベントを開催するということも考えたけれど、何せ地元に関わりが薄いので準備に時間がかかる、間に合わない。
じゃあ仕事ではないにしろ着物で何かしたい、と考えたとき「家族に着物を着せたことがない」ということに気付きました。
自分でも意外な事実だったので「家族全員に着物を着せる」ことを今回の帰省の目的に定めました。
着物とは縁のない家庭だったのでこれはちょっとした革新になるはず。
かくして、スーツケースに着物を詰め込み「着物旅」に出発しました。

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もちろん自分はずっと着物。綿の単衣1着に半幅帯2本、足元はローファーです。

我が家は6人家族。両親、姉、弟、姪と私で、弟と私が実家を離れて暮らしています。
母は何年か前に京都に来た際に、私がずっとお世話になっている「はなを」さんで見立てていただいた着物を一式持っています。
父と弟には前回の帰省時に亡くなった祖父の着物を見ていたので、「着物出しといてね!」と事前にお願いしてありました。



かくして




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どーーーーーーん

家族6人全員着物。なかなか壮観ではありませんか。
母と姪ちゃんには簡単にヘアセットもしてあげました。
父は淡いピンクのシャツを着ていたのでそのままインナーにしたのですが、こげ茶の紬とよく合ってる!
優しい色合いが似合う父にぴったりの色合わせになりました。
弟は黒シャツの上から紺のウール着物、写真では見えませんが帯の変わりに革のベルトを締めています。
お姉ちゃんのコーラルピンクの色無地は前職で余った商品をもらったんですが、自分には似合わない色だし丈もちょっと短め。なのでレンタル用にしていたけれど学生さんに色無地はちょっとつまらないし京友禅ということもあって普段のレンタルにはあまり出番がなかったもの。
お姉ちゃんには何もかもぴったり!

みんなとても似合っていたし集合写真なんてめったに撮らないのでいい機会になりました。
特に姪ちゃんにお祝い着を着せてあげられたのが一番嬉しかった。
我が家では七五三をしないので私たち兄弟はお祝い着を着たことがありません。もちろん着物もありません。
この赤いお祝い着は、実は偶然手に入ったものなんです。

4月に友人の友人から「遺品整理で着物が大量に出てきて困っている」という相談を受けました。
おばあ様とおば様の着物が箪笥いっぱいあると。
相談の結果、全て譲り受けることになりました。その中に、このお祝い着があったのです。
上質のもので、とても大切に保管されていたことがすぐに分かりました。
着せてあげると、サイズぴったり。大喜びで「歩きにくい」と言いながらもちょこちょこと歩き回っていました。
それどころか翌日にも「もう一回着たい!」と言ってせがむほど。
大切にされてきた着物を活かせたこと、私は着られなかった一生に一度しか着られないお祝い着を着せてあげられたのが何より嬉しかったですねえ。

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四季折々の草花と蝶に御所車の柄。ほんとに可愛い。

無事今回の目的を果たすことができました。
本当はたまの帰省のときぐらいちょっといいお店で外食したり、
今回は父の誕生日祝いや母の日を兼ねていたので気合いの入ったプレゼントでも用意したいところなのですが
恥ずかしながら独立してまだまだ余裕がないのが現状。
でも今の私にできる最大の、そしてキモノガールらしい家族孝行ができたかなぁ。

実はこの日、すごい発見があったのですが
それはまた改めて書くことにいたします◎