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浴衣ウィーク

「若者にもっと気軽にきものを」というミッションのもと、これまで同世代や学生と様々なイベントをしてきました。
このところ大学生とのコラボが続いたなかで、もっと若い人たちともできないか?と思いつき、上京区の放課後教室・studio あお の皆さんと夏休みの特別プログラムを作ることになりました。
スタッフの学生たちと練った企画は「好きな生地を組み合わせてオリジナルの浴衣を作るって着てみる!」というもの。
生地は浴衣地ではなく市販の洋服生地で、縫製も和裁ではなくミシンです。
学校でミシンを習ったことのある小学生高学年~中学生を対象としていますが、それ以外の学年でも受講可。
作るだけでなく、きものの歴史や豆知識などを私からお話する時間もあります。
最後には完成した浴衣でお出かけイベントをもってお披露目、ゴールとなります。

きものはハードルが高いけれど浴衣なら、という人はびっくりするほど多いです。
しかも洋服生地となれば汚れても洗濯機で洗えるし、お家の方のストレスも激減。
夏休みならではの体験にぴったりだと思いませんか!?

製作に使用するのは市販の型紙と生地なので、裁縫好きの方は経験したことがあるかもしれません。
しかし今回特別なのは「生地選びの自由さ」。
いわゆる和柄ではなく、普段からなじみのあるポップな柄の生地を、それもパーツごとに違う柄を組み合わせることができます。
つまり、片身変わりのように左右の身頃を切り替えにしたり、衿だけ色を変えたり、はたまた全パーツ違う柄にするなんてことも可能。
まさに世界に1着だけの浴衣です。
仕立ての知識のある水端が講師となることで、初めての人でも「この柄をここに使うと仕上がりはこう見える」というイメージをしながら作ることができます。
柄は私を含むスタッフが選んだ柄の中から複数種類選んでもらいます。
今のところの候補は、カラフルなドットやスイーツ柄、チェック、生き物の柄など。

塾での開催ということもあり親子参加を原則としています。
手作り好きのお母さんお父さんにも一緒に楽しんでいただけたら嬉しいですねぇ。

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スタッフの男の子がモニターとして一足先に挑戦してくれてます!


ところでこの企画、受講料として8000円頂戴しているんです。
材料費、型紙代などを含めた料金なので高くはないと思います。
が、一般的に、参加を検討する場合、この価格はどうとらえられるのか?

この点については企画メンバーでも繰り返し話し合いました。
確かに、ひとつのイベントでこの金額を参加費として設定することは私もあまりありません。
しかし、理想の浴衣が手に入るとすれば?

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一般的に世の中で販売されている浴衣の価格は、1000円台~数万円と実に様々。
全国チェーンの量販店で買える仕立て上がりのものでだいたい5000~10000円程度です。
セットでおトクに買えるものもあれば、有名セレクトショップなどだと3万円ほどのものもあります。
8000円以内で購入できるものは、数だけで考えれば結構たくさんあります。
しかし、はっきり言って「よくある浴衣」という印象です。
実は私は開業する前に量販店の浴衣売り場で販売のアルバイトをしたことがあるのですが、その時の商品に対する感想は「ずば抜けて可愛いものを見つけるのは難しい」でした。
もっと分かりやすく言えば、「誰かとかぶりそう」です。

確かにかわいいものはあります。
現代風のちょっと変わった柄や凝った配色のものもたくさんありました。
しかし、どれもこれという決定打に欠ける印象だったんです。
それは私が常日頃からきものに触れているからでしょうか?
そうではないと思います。
現に今年の祇園祭宵山期間、街を歩いていて「販売店(メーカー)を特定できる」浴衣を着て歩いている女の子たちを少なくとも3人は見かけました。

多くの女の子たちにとって(男の子にとってもそうでしょうが、女の子は特に)、浴衣は特別な衣装です。ドレスです。
浴衣を着るときは髪型やアクセサリーやメイクやネイルも浴衣に合わせてコーディネートするでしょう。
何日も、あるいは何週間も前から準備をして抜かりなくおしゃれするはずです。
私自身、着付けのきの字も知らなった小学生の頃から浴衣を着るときはそうでした。
ヘアアレンジの本やサイトを調べて、雑貨店を巡ってアクササリーやコスメを買いそろえていました。
そんな一張羅であるところの浴衣なら、絶対納得のいく一着を見つけたいはず。誰かと被るなんてもってのほかです。


仮に予算が8000円未満だった場合、条件を完全に満たす浴衣をみつけるのはなかなか至難の業のように思えます。
そう考えると、お気に入りをゲットしたいおしゃれボーイズアンドガールズの理想を満たすのに手作りするというのは理に適っていると思いませんか?
もちろん洋服生地なので家で洗えるし、サイズが変わらない限りは着られます。
難しいのはその「サイズが変わらない限り」という点で、
成長期のボーイズアンドガールズには1年後にも同じ浴衣を着られる保証がないので1着に8000円を安いと言えなくなってしまうのでしょうね。
とはいえおしゃれにこだわりが出始める年頃の子供たちには絶対楽しいはず。
かくいう私も、浴衣をすでに10着近く持っている私でさえ、自分で作れるとなったらめちゃめちゃテンションが上がってしまい生地屋さんで生地を選ぶのに2時間ほど費やしました。

価格を高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれだと思いますが、今回の企画内容としては個人的にはなかなかおトクだと思っています。
呉服業界の人間は値段感覚が麻痺してる、なんてよく言われるんが…どうでしょう?笑


考えているうちに値段のことをいろいろと考えてしまってなんだか押し売りみたいな文章になっちゃいましたが(笑)、プログラムにご興味をお持ちくださった方はぜひご検討ください。
小学校高学年~中学生が対象ですが、低学年の方のご参加もありますしミシンを使うのに問題がなければ大歓迎です。
詳しくはstudio あお FBインスタグラムでご覧ください!
お申込みは専用フォームより。

は~~~ドキドキ。最高の夏休みになるといいなーー!!